自然栽培で植物と向かい合う。
2023年2月、ぼかしを施肥したのを最後に、自然栽培に切りかえました。
肥料を使わない分、植物の事を観察し理解する。どうしたら元気な状態、生長と結実のバランスが良い状態になるか。

植物ホルモンを理解し、触れて対話をする、本格的な自然栽培にチャレンジです。

今回は栽培とは違ったお話です。
とは言え、私みたいな個人事業主がブルーベリー園をやるなら認識しておきたい内容です。

突然ですが、クレープ販売始めました

実は、2024年2月からクレープ販売をしたいと考えていました。
ブルーベリー栽培をやりながら、ずっと水面下で準備をしていたのですが、今ではようやく自前のフルーツを使ったクレープを販売することができるようになりました。

長い間、情報収集と機材集めをして、2024年の8月くらいから徐々に練習開始、今年10月にようやく自信をもってメニューを作り、今では週末だけクレープ販売が出来るようになりました。

なぜクレープ販売を始めましたか?

根本の原因は、収穫したブルーベリーが使いきれなかったから。

ブルーベリーは収穫時期が過ぎたら冷凍ブルーベリーとして販売を始めるわけですが、ラビットアイの収穫量が凄すぎて次の収穫期までに全部売り捌けない過去があり、対策として、2023年にキッチンカーを導入しました。

ブルーベリーキッチンカーの問題

キッチンカーを導入したことで、ブルーベリースムージーやジェラート、ジャムなどを販売し、地元のイベントやお店で営業できるようになったわけですが、しかし、次の問題として浮上したのが「冷たいものしかつくれない」でした。元々料理が得意ではないので、手の込んだものはできません。

(ホットブルーベリーレモネードはやりましたが、他は中々アイデアが出てこない…)

しかもイベントが多い10月11月は暖かい日もあれば急に冷え込む日もあり、スムージーが売れる日と売れない日の差が凄すぎて毎回売り上げが天気に左右されます。特に12月からは、イベントあってもどこにもいけません。主催者や関係者からも「藤崎さんのところは冷たいものしかないよね?」と言われて呼ばれないことも何度かあり…(涙)

そこで!

これはどうにかしなきゃと思った瞬間、クレープが頭に浮かびました。

クレープなら通年でやれます。しかもブルーベリー以外のフルーツも使えるし、メニューも幅広い。

加えて、クレープ作りは素人でもフルーツには自信があるので、自分自身の売りも出せる。

難しすぎたクレープ…

ところがどっこい、クレープ作りは無茶苦茶むずかしい!

生地も無数にレシピがあり、生クリームも扱いも難しい。鉄板の種類に温度、道具の癖。クルクル巻くのだってやると難しい!

滅茶苦茶練習すればいいか、とも思ったけどレシピがないのに練習はできない!根性論はダメだ、と早い段階で気が付きましたw
言えば切りがないんですが、とにかくひとつひとつが奥深く、ひたすら躓くことの繰り返しでした。

全部が全く分からない!という状態がしばらく続きました。

自分で始めたものの、ほんと苦痛でした…w

クレープ作れる知り合いなんていないし、料理が得意な人がクレープに詳しいわけじゃない。

正直クレープは簡単にできるだろう、と考えていのでまさかの展開だったんです。

クレープコミュニティーはいいっ!

そんなこんなで1年半くらい迷い迷って半信半疑なままレシピを作ってきましたが、キッチンカーをやっていたこともあり、クレープキッチンカーの知り合いも増えてきました。

相談するとみんな凄く優しくて温かい人ばかり。

頼れる先輩や師匠を見つけ、徐々にレシピを完成させていきました。

今は自信をもって販売しています。

ほんとクレープ作ってる人みんないい人。

レシピが完成して思ったこと

前置きがだいぶ長くなりましたが、ここからが一番言いたいことです。

言いたいこと① ~線引き~

深い理由もなく、インスピレーションでクレープを始めましたが、クレープはもはや飲食業の領域です当たり前過ぎてすみませんという話なんですが、クレープはメチャクチャ飲食やってるって感じ(笑)

忙しいです。
仕入や工程、手間や仕込み、調理器具の数。ほんと色んなものが増えました。場所もとります。

比べて、農園でよく見るカフェメニューのスムージーやかき氷は比較的簡単で道具もそこまで揃える必要はなく、その上、他店と大きな味の差は出にくいし利益率も高い。ブルーベリーの良さもダイレクトに出せるし、素人でも思いつきでメニューが作れるので、ブルーベリー農園が始めるにはとても利がある商売だと思います。

しかし、(私の感覚ですが)スムージーなどの農園メニューは、ブルーベリー栽培の延長でできることですが、クレープはできません。個人的にはここに線引きが存在すると感じています。

つまり、スムージーを作る感覚で半端なクレープを作ると、農園全体の評判を落とすことになります。何故なら農園スムージーはあまり多くの人が知っているわけでもないので、独自性があってもそういうもんだと思ってもらえるし、大体は美味しく作れるから。しかしながらクレープは大衆スイーツのため、スムージーよりシビアに評価される可能性が高い。本当に美味しいものを作らないと農園全体に低評価を突き付けられる可能性が高い。

ブルーベリーを使った6次的な商売はしっかり線引きしてどこまでやるべきか、しっかり考える必要があると感じます。

言いたいこと② ~客層~

正直、スムージーや苗や冷凍ブルーベリー通販、栽培コンサルの方が利益率が高いので、そっちを規模拡大してった方が路線がずれないし本筋だな、と理性では思ってはいます。

しかしながら、ここ数年思っていたのは、客層を広げたいと言うこと。

今まで私のメインのお客様はブルーベリーが好きな人。
栽培している人だったり、ブルーベリーを食べるのが好きな人、事業としてやっていきたい人。

私がブルーベリーの活動をしているので当たり前と言えば当たり前なのですが、結構ニッチなマーケットだと思っています。(農家ってそういうもんかもしれないですが)

しかしクレープ販売を始めたことにより、一気に客層が広がりました。ブルーベリーに興味なくてもスイーツが好きだから来てもらえたり、そこからブルーベリーに興味を少しもってもらえるようになったり。新しいお客様と知り合いになれると、新しい分野の情報が入ってきます。

実はこれが、ここ数年私の望んでたことで、ブルーベリー以外にも複数分野にまたがって商売をしたいと思っていました。各分野の情報が交わるところにポジションしていると、情報の取捨選択、組み合わせがカスタマイズできるので、そこから自分のアイデンティティーを確立していけるのではないかと。

そして何より、楽しいです!

本業はパソコンいじっているので、週末だけでも体動かして接客していると気晴らしにもなります。

これから

何だかんだ今ではクレープの師匠に基礎から教えてもらいながら、自身を持ってクレープを作って販売できるようになりました。

なので、これからはブルーベリーにとどまらず、年中自家栽培フルーツを使ったクレープが作れるように、柑橘やいちごなど、他フルーツの栽培にも力を入れていこうと思います。

そしていつか、自分のお店にお客さまがたくさん来るようになればいいなと考えています。
(今は来客が少ないのでキッチンカーで出店してます)

長々と書いてきましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。