
自然栽培で植物と向かい合う。
2023年2月、ぼかしを施肥したのを最後に、自然栽培に切りかえました。
肥料を使わない分、植物の事を観察し理解する。どうしたら元気な状態、生長と結実のバランスが良い状態になるか。
植物ホルモンを理解し、触れて対話をする、本格的な自然栽培にチャレンジです。
夏をどう乗り切るかが全て!?
ここ最近の夏の暑さは、ブルーベリー栽培にとって最大の敵である。
はっきり言って、夏をどう乗り切るかがブルーベリー栽培において全てである、と言っても大袈裟ではないと思っています。それぐらいここ数年の暑さは、ブルーベリーにとって良くない、栽培において不安要素になっています。
特にノーザンハイブッシュは暑さに弱くて、葉が赤くなったり、斑点ができたりと大きくダメージを受けます。ダメージを受けると生長が止まり新梢が出ないし花芽分化も進まない、つまり蕾がつかない。そして向こう1年復活のみに時間と労力をかける羽目になります。
幼苗に関しては葉が焼けて終了、ということに。
酢酸カルシウムの葉面散布で対応しよう!
猛暑対策としては、様々あると思いますが、一例として酢酸カルシウムをご紹介します。
私個人としては散布するものしないもの分けており、全てに使っているわけではありませんが、基本全てに掛けて良いものです。
また、カルシウムは根っこから吸収しにくいため、葉っぱに直接かけて働きを促すのは即効性確実性から考えて効果的と言われています。
酢酸カルシウムの効果
▪︎カルシウムが細胞膜や細胞壁を形成、安定化する。そのため細胞内外の水分の調整機能を高めてくれる役割があります。つまり、高温ストレス時に細胞が傷つきにくくなり、暑さによるダメージを軽減でる可能性が高くなります。
▪︎とある研究では、カルシウムがアブシジン酸(ストレス応答ホルモン)の調整に関与し、気孔の制御、光合成の維持にも影響があるということらしいです。
▪︎新芽は伸長するために細胞分裂が活発なので、カルシウムが不足するとチップバーン(先端の枯れ込み)が起こります。また病気にも弱いため、細胞強化により病害虫への抵抗力をつけるという効果も期待できる。
ということで、カルシウム摂取により、防御力を高める、守備を固める、という働きを高めることができます。サッカーで言えばディフェンス重視のフォーメーションをとるイメージでしょうか。
とは言え細かいことを言えば、この機能向上が耐暑性アップという直接的なものになるわけではなく、細胞が機能アップすることに起因して、間接的に耐暑性があがる、という感じで考えておくのが正しい認識かもしれません。
ちなみに、カルシウムは果実にも好影響をもたらすとされています。
果実の食味の向上が期待されます。細胞が強くなれば果皮がしっかりする、そうなればパリっとしたクランチ感が生まれ食感が良くなり、果皮がしっかりしていると輸送性も向上します。また、雨による裂果被害もある程度抑えることもでき、実落ちも抑えることができます。
そもそもブルーベリーの収穫期と猛暑はある程度被るので、どちらにしても酢酸カルシウムを散布する意味はあると言えます。
酢酸カルシウムの散布方法
猛暑対策として散布する場合、猛暑前から猛暑中に定期的に撒くと良いとされています。
正しい頻度は分かりませんが、個人的には2週間に一度撒くようにしています。(人によっては数日ごとだったり週一だったりするようです)
大体5月に入ったら原液を作り、それを冷蔵保存して使っています。
実際に散布する際のポイントをまとめました
▪︎葉っぱの裏に重点的にかける
>裏に気孔がたくさんあるため、表より吸収効率が高い
>裏だと日陰になるので蒸発もしにくい
▪︎早朝もしくは夕方の涼しい時間帯にかける
>暑いと吸収する前に蒸発してします
>朝露や夜露がないことを確認する
▪︎展着剤を使う
>葉っぱに付着する時間を稼いでなるΩべくたくさん吸収させる
▪︎薄めて使う
>原液のままだと濃すぎて障害を起こす可能性があるので、500~1,000倍に薄めて使うのが良いと思います。厳密に何倍がベストかは分かりません。心配な場合は薄めでやりましょう。
▪︎新芽にもしっかりかける
>理由は上記で説明済み


酢酸カルシウムの作り方
作るのは簡単です。
卵の殻を乾燥させ、一晩食酢に漬け、翌日殻を取り除いたら完成です。
参考までにこちらの動画も見てください。
ちなみに蟹殻なんかでもできますが、卵の方が一般的なので卵で十分だと思います。
まとめ
今回は葉面散布での猛暑対策をご紹介しましたが、一番効果があるのは遮光です。遮光しながら酢酸カルシウムで生長を促すのが理想と言えるでしょう。
鉢植えの場合は軒下に移動したり、せめて西陽を避けられる環境におくと良いでしょう。
これからは夏の暑さをどう乗り切るかがとても大事です。
しっかり対策して夏を乗り切りましょう!
最後までお読み頂きありがとうございました。
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