2023年は2月ぼかし肥料を撒いて、それ以降施肥はしていません。
SNSで何度か表明している通り、これからは自然栽培を目指していきます。

今回は植物ホルモンのひとつ「エチレン」について、簡単な忘備録として書いていきます。

ご興味ある方は、是非最後までお読みください。

エチレンとは

植物ホルモンには、オーキシンやジベレリンなど成長促進型ホルモンもありますが、エチレンはどちらかというと抑制型(?)の植物ホルモンとして知られています。

エチレンは気体の揮発性ホルモンであり、必要に応じてすべての器官で作られ、細胞の隙間を通過して移動します。

エチレンの作用としては、果実の成熟・老化花茎の伸長抑制器官離脱作用発根促進があります。

果実の成熟・老化

キウイやアボカドを追熟させるためにリンゴを同じ箱の中に入れておくことは、広く知られていると思いますが、これはリンゴやメロンの成熟した果実が多量のエチレンを放出していることに起因しています。

果実はエチレンが作用することで呼吸が盛んになり、着色が進んだり、糖度が増加したり、所謂食べごろというおいしく熟した状態になります。しかし熟した後もエチレンは出続けるため、食べごろを過ぎた後は熟しすぎてしまい、果実は腐ってしまいます。

つまりエチレンは美味しくする植物ホルモンのため、エチレンを高めることが、美味しい果実を作るポイントになるわけです。

花茎の伸長抑制

スーパーで見るもやしにはひょろっと長細いもやしと太くて短いもやしがありますが、エチレン処理をしたもやしは太くて短いもやしになります。化学的な事情は色々あるらしいのですがここでは割愛。
エチレン濃度が高い方が、植物としては風に強く、台風が来ても倒れにくくなるということですね。

そしてエチレン濃度が高い植物は開花も抑制されるため、花も遅くなる傾向があります。

器官離脱作用

エチレンには花や葉、果実を老化させ、本体から切り離す作用があります。

休眠に入る前の落葉が一番分かりやすいと思いますが、植物は葉で日の長さや温度の変化を感じ取ります。そして葉に残った養分を体内に取り込んだ後、葉で生成エチレンによって落葉し休眠に入ります。ちなみに休眠から目覚めるときはジベレリンが作用します。

発根促進

個人的にはここが一番熱い部分です。

と言いつつも正直理解し切れていませんが、、、書いていきます!

一般的に土壌中0.1~1ppmあたりの低濃度で、根は伸長しますが、それ以上の濃度になると根は伸長するのでなく、横に太くなったり分枝するようになります。*1ppm(百万分の一)=1,000ppb(10億万分の一)

つまりある程度エチレン濃度が高い方が、強い根、強い株になるということです。根量が増えれば生成されるサイトカイニンやジベレリンも増えますし、必要養分もたくさん吸収出来るようになります。

そして土壌中のエチレン濃度は季節によって上がり下がりがありますが、8~9月が一番濃度が高く、12月と比べると4倍ほど差があるというデータがあります。

根っこホルモンのオーキシンと合わせてエチレン濃度をあげていくことも、ひとつポイントになりそうです。

まとめ

エチレンは植物がストレスや刺激を受けると生成されると言われています。
枝をさすったり、風に揺られるだけでもエチレンは作られます。

しかしジベレリンが活性するとエチレンは減少してしまうので、特に果実の成熟期はジベレリンを抑えることが大切になってきます。

ということで今回はおいしい果実を作るためのホルモン「エチレン」について書いてみましたが如何でしたでしょうか。

来年はこの辺を頭にいれて、美味しいブルーベリーを作っていこうと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。