2024年、今年から無肥料です。
去年2月にぼかしを施肥したのが最後。肥料を使わない分、植物の事を観察し理解する。どうしたら元気な状態、生長と結実のバランスが良い状態になるか。

今年は植物ホルモン活性化を意識した自然栽培にチャレンジ1年目です。

今がイラガ撃滅のチャンス!

今回は我々果樹栽培者の天敵イラガの防除についてです。摘み取り園をやっていて1番嫌なのが幼虫期のあの毒針です。触れると電気が走るようにビリッとして1週間痛みと痒みが続きます。

しかし生態を知ると防除のタイミングややり方がわかってきます。

 5~6月産卵 > 8~10月幼虫 > 11月繭冬眠 > 5月成虫

イラガの一生はざっくり言うとこんな流れですが、今は3月初旬、現在の状況から考えると、まだ繭に閉じこもって越冬している段階です。中に入っているのは去年孵った幼虫で、このあと暖かくなってくると5月に成虫になります。

面白いのが、成虫は何も食べずに産卵だけして2週間で死ぬらしいです。なのでイラガの成虫に関しての直接の害は考える必要はありません。毒もなくなります。卵を産ませない事を考えれば良いという事です。

つまり、成虫になる5月までになるべく多くの繭を見つけてとりまくります。特に去年被害に遭った木には沢山の繭がついていることが多いです。

4月になると多くの新芽や葉が繁ってきますので、落葉樹は葉が落ちてる今頃が、1番確実にイラガの繭を見つけられます。

ひとつ繭を見逃すと、1匹の成虫が繭から飛び出てくるわけですが、イラガの卵はカエルの卵のように120〜150個の細かい卵の集合体。それが葉裏に産卵されるわけですが、ハッキリ言ってこれを見つけることは出来ないので、やはり今のうちに繭を見つけることが1番の対策です。

下にもいる!

イラガ、イラガとは言うけれど、イラガにも10以上種類があるらしいです。

しかし個人的にはブルーベリー栽培をしていて見るのは2種類かと、そんな気がします。

イラガヒロヘリアオイラガ

の2種類です。

そしてここが大事なところですが、イラガ樹上にストライプ柄の繭を作ります。

よく見るこちらはイラガの繭

2センチ以上の大物幼虫で、茶色の地味な成虫になります。

でもブルーベリー栽培していて良く見るのは、どちらかと言うとこっち。ヒロヘリアオイラガ。ヒロヘリアオイラガは主幹の地際に擬態色の繭を作ります。

ミリ単位の小さい幼虫の頃は集団で葉裏にいます。成虫は青っぽい。

 

という事で、樹上ストライプ柄のイラガの繭は良く目立つので見つけられると思いますが、地際のヒロヘリアオイラガはしゃがんで見ないと見つからず、繭を退治しないと今年の被害は無くなりません。

手袋必須

さて、やることは繭を剥がすだけなんですが、ネットを見てるとどうやらチクッとするリスクがあるようなので素手は避けた方が良さそうです。剥がした繭の内側は幼虫がすぐいるので。

イラガ被害があると…

何度も言いますが、繭を剥がす事ができればその年のイラガ被害は激減します。繭を逃して幼虫が大量発生した場合、人間が怪我するリスクもありますが、場合によっては葉っぱをとって捨てたり、農薬かけて退治したりすることもあると思います。しかし、そもそも葉っぱが繁っていると中々全部のイラガを見つける事も出来ないですし、薬も正直当てきれません。そして何より時間と体力を浪費してしまう。

そして葉っぱを喰われ丸坊主にされた株は正常な光合成が出来ず、収穫後の体力回復や翌年に向けての養分貯蔵などが出来なくなります。イコール、翌年の収穫量や品質、生育に障害が少なからず出てしまうわけです。

無農薬栽培のためにも

という事で今回はイラガ撃退方法のお話でしたが、今の時期に繭を取りまくれば、後々苦労する必要もなくなりますし、農薬を使う必要もなくなります。事前の対策、これがひいては無農薬栽培にもつながってくるものと思います。ましてやお客さま、お子さまに怪我をさせるわけにはいきませんので。

↓これは去年大被害を受けたチャンドラー、麓にあった繭は10個以上。おはぎみたいに丸くなっているものがものがヒロへリアオイラガの繭です。上辺に丸い穴が空いているのは去年成虫になって飛び立っていった1年前のもの。写真右側の主幹右側についている丸い繭は幼虫が入っている今年の繭です。

去年の繭も混じっていますが、単純計算で120~150匹のイラガを退治できたことになります。

私は去年7回毒針に刺されました。大分苦労したので、今年は3月中に繭探しを頑張ろうと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました♪