2023年は2月ぼかし肥料を撒いて、それ以降施肥はしていません。
SNSで何度か表明している通り、これからは自然栽培を目指していきます。

今回は土作りのおはなしです。

結論から言えば、現在この記事を書いている時点では、「排水性は確保しよう」という程度の意識で、こだわりにこだわった極端な土作りは不要なのかな…、と考えています。

世の中全般で考えれば、良い作物は良い土から出来ると思われているのが現状です。そしてそれを誰も否定しないでしょうし当たり前のことだと思われています。

今、私は来年から本格的な無肥料栽培を始めるに当たって色々やり方を調べたり栽培の勉強をしていますが、正直ちょっと迷走しています汗

が勉強途中でも頭を整理するために、断片的にでも、ダラダラと書いていこうと思います。
よろしければ最後までお付き合いください。

有機物を散布して腐植を高める土作り

一般的には落ち葉や稲わら、竹や倒木を集めて土作りをすると、腐植が増え良い土になると言われています。これらの有機物は微生物によって分解され腐植が増えていくわけですが、土壌中で腐植がノリの役割をして、微生物が作る粘物質、土壌粒子をくっつけて団粒構造が出来る。そしてこの団粒構造により、土壌中では水と空気の確保が出来、植物の根にとって良い環境となる。

林の中など、堆積した落ち葉の下の土はうさぎのフンのようにポロポロした黒い土になっていますが、これが腐植です。

更に、微生物によって分解された有機物はコロイド状(細かい粒子)になり、陰イオンを持つことで、陽イオンを持つ石灰や苦土、カリ等を表面に吸着させます。一般の土壌に比べて腐植は約40倍、それらを保持することが出来ると言われています。つまり腐植は保肥力が高いという事です。

他にも腐植はリン酸の固定を防止すると言われています。根に有害な土壌中のアルミニウムがリン酸とくっついて植物がリン酸を吸えなくなるという現象を、腐植は防ぎます。

更に腐植に含まれる窒素やリン酸は徐々に分解されていくため、年間を通して植物に養分を与えられる、つまり“地力がある土”になるのです。

菌根菌、木材腐朽菌を増やして自立した栽培

菌話は個人的に大きく興味もありYou tubeでも何度か動画を出していますが、菌根菌の共生による栽培は人間による施肥が不要になり肥料過多が防止できます。植物は必要なタイミングで必要な分だけ、自分で養分を吸収するので、人間としては時間と費用が大きくセーブ出来ます。

木材腐朽菌に関しては木材チップなどの有機物を分解してくれる過程で土壌がふかふかになり根にきれいな菌糸がつくようになります。この菌糸が多くある株と全くない株とでは経験上、根量がかなり違います。分解された有機物は上述の腐植となるわけですが、やはり団粒構造の良い土だと根量が増えると思われます。

植物ホルモン”オーキシン”が根を伸ばす

さて、上記腐植と菌話は外的要素として述べましたが、次は植物本体のホルモンの面から考えます。

植物ホルモンの代表格であるこのオーキシンは根っこホルモンと呼ばれているホルモンで、頂芽で合成され、柔細胞や師管を通って根に運ばれます。

根は重力を刺激として感じとり重力方向に伸びる(要は下に伸びる)わけですが、この根の重力屈性に、オーキシンが重要な役割を果たす事が知られています。

つまり、オーキシンは下へ下へと移動するわけですが、根の先端下側に多く蓄積すると、オーキシンの偏り(不等分布)が原因となり、重力側の細胞伸長が抑制されます。
結果、根は屈曲し下へ下へと伸びていきます。

そしてここが大事なところですが、芽が伸びて根が伸長します。根っこが伸びたから芽が伸びるわけではないのです。

ということは、良い土壌だから勝手に根が伸びた、という事ではなく、ここがこだわりにこだわった土作りが本当に必要なのかと感じた1stポイントでした。

オーキシンが根っこを作るとしたら、徒長枝、枝先を多く残す剪定をすれば根っこホルモンは沢山作れます。元気のよいシュートが沢山ホルモンを生成するので、従来の徒長枝切りをやめれば、極論根量が増えるということになります。

なので、排水が悪い土地や水田などは論外ですが、大雨が降っても水が抜けていくような土地であれば、こだわりにこだわった土作りまでは不要に思えます。

なぜなら根っこはホルモンによって伸びるから。

だから伸びた分の根が水浸しで酸欠になったりしなければ、それでよいのかなと思ったりします。

良い土は逆効果!?

さらに言えば、上述の腐植も菌話も、結局は土壌中に窒素やリン酸など肥料成分がある為、(人間が施肥するか自然が供給するかの違い)、それに反応する生長ホルモンのジベレリンが過剰に発生する可能性があります。

過剰にジベレリンが発生すればオーキシンやサイトカイニン、エチレンが減少し、虫がつき、着色遅れて果実の味が落ちるという結果になります。

ということは積極的に良い土作りをすると逆効果なのか…!?

という感じで、頭の中を色んな情報が駆け巡っています。これらを踏まえた結果、今は極端な土作りはしなくて良いかなと感じています。

一滴も肥料分を吸わせない!という意味ではなく、自然にある分以上は手を加えなくても良いのでは?という温度感です。

そして放っておけば窒素などは雨で流れていき、圃場内の窒素は薄れていきます。

その分大事なのは剪定で、剪定でしっかりホルモンコントロールが出来るようなれば株全体が元気になるはずです。

ドラゴンボールで例えるなら、ホルモンが活性した状態はまさに界王拳、といったイメージです。

終わりに

最後に、この話は基本地植えを想定しての話です。
鉢植えはまたちょっと違った見方をしていますが今回は割愛します。

という事で、少し私の頭の中を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか!?

賛同される方、反対される方、部分的に納得、といった方、様々だと思いますが、何となく書いてて頭がスッキリしたような気もします(笑)

また意見は変わるかもしれませんが、今のところこんな感じです、という事で。

手を掛けすぎず、自然に寄り添った栽培ができるように、もっと考えて実践していきます。

最後までお読み頂きありがとうございます☺️