前回ラビットアイ60本を移植した記事を書きましたが、今回は移植した後の剪定について書いていこうと思います。

根を張らす肥料といったら、NPKのK、カリを思い浮かべますが、この畑も無肥料無農薬栽培でブルーベリーを育てていく為、肥料の事はまず忘れます。(硫黄華は撒きましたが)

代わりに根が伸びる仕組みを考えます。

ひとつフェスティバルを例にとって、話を進めていこうと思います。
移植後、剪定前の様子がこちらです。

そして剪定後を先に出しますが、こちらです。

ここに移植したブルーベリーは、去年手が回らず無肥料無剪定で1年を過ごしたブルーベリーですが、花芽が沢山あり、シュートも沢山出ています。

さて、今回は移植の際、根を切っている分、地上部も剪定をする必要がありますが、移植したブルーベリーが土質の違う畑に早く馴染むように、根を伸長させる剪定を考えていこうと思います。

根を張らせる方法

植物は葉から蒸散した分、根から水分を吸い上げます。毛細管現象に似た構造でもあります。なので根を切ったら地上部を切らないと、「蒸散>吸水」となり、株全体に必要な水分が回らなくなり弱くなります。根から上がってくる水分には植物ホルモンも含まれていて、それが十分に回らないと植物自体の活性化になりません。

根を張らす方法としては、芽を吹かすという方法があります。根っこは春に新芽が伸びた分伸長します。なので移植後はある程度強剪定して、強い芽を伸ばすと根張りが良くなります。

もしくは枝を横に倒す誘引をして、立ち枝を発生させるのも有効です。横に倒した枝は新芽を抑制するオーキシンが枝下部に溜まり、枝上部はジベレリン、サイトカイニンの濃度が濃くなり強い枝を発生させます。特に株中央に近い位置に強い立ち枝が発生する傾向があります。またこの時倒したシュートは枝先より枝中央が頂点になるように弓形に作る事がポイントです。(逆に収穫目的の株は枝先を上げ、枝先が1番高い位置になるようにする)

もう一つ、根を張らせる方法としては、根っこホルモンのオーキシンを活性化させる事も考えられます。蒸散を抑えるために枝を間引く際、強い枝を残します。なるべく縦に伸びてる枝、立ち枝や長いシュート、太めのシュートを残し、下垂枝、真横に伸びる枝などはオーキシン生成が弱い為取り除きます。こうする事によって、蒸散を抑えつつ、オーキシン生成に優れた枝のみを残すと、根の張りも良くなり、移植後も土に馴染む事が出来ます。

写真のように立派なシュートをなるべく残すイメージです。

基部から遠ざかる横向きの枝は良いシュートが出ている部分で切り戻しします。
下部写真で言うと黄色の線のところで切り上げ剪定をします。黄色線の左側は結果枝が多く、花芽もつきやいので、収穫株であれば使える部分ではあるのですが、根張り、生育を目的とした場合、基部から遠すぎる短果枝は不要です。

黄色線で切った後がこちらですが、25㎝程度の1年生枝が出ています。これらは枝先に養分が溜まっているので、収穫しないとは言え、花芽調整、摘蕾のために枝先を切ったりはしません。こういう立派な枝が沢山の根っこホルモンを作ってくれます。

まとめ

と、色々思うところを書いてみましたがあくまで私個人の意見で、何か証拠があるわけでも裏どりしたわけでもありません。ご了承ください。でも多分8割くらいは正解なんじゃないかと考えています。

ちなみに去年の経験からすると、2月20日頃には地温か10℃前後に達し、根が動き出します。それまでに、根を張らせる事を意識した剪定を完了させます。

そして余談ですが、ここの畑は接木をしまくり、ラビットアイとハイブッシュ混合のハイブリッドな圃場を目指します♪

以上、根を張らせる剪定の考察でした。

最後まで読んで頂きありがとうございます♪

2/5追記

その後、道法さんに移植について確認しましたが、上記のやり方では花が咲いてしまい、株が弱くなるとの事で、やはり全体を切り戻して強い枝を吹かす事が正解、という事でした。

ちなみに移植自体3月が適期との事。

私的には、移植など大きな外科手術的な事は休眠期にやった方がダメージ少ないと考えていましたが、休眠から目覚めて樹液が流れてから作業した方が木の反応が良いという事なのでしょうか。